1. 育休給付金の計算式:基本のき

まず、育休給付金がどう計算されるかを理解する必要があります。雇用保険の制度なので、計算式は厚生労働省が定めています。

📊 育休給付金 計算式(2026年5月時点)

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期間 給付率 月額目安(基準給与42万円) 注記
育休開始〜180日目 67% 約281,400円 手取りは現役時の約8割相当
181日目〜1歳 50% 約210,000円 手取りは現役時の約6割相当
1歳〜1歳6ヶ月(延長) 50% 約210,000円 保育園不承諾通知が必要
1歳6ヶ月〜2歳(再延長) 50% 約210,000円 2回目の不承諾通知が必要

※ 雇用保険の支給上限額・下限額があるため、極端に高所得・低所得の場合は調整あり。出産時育児休業給付金(産後パパ育休)は別制度。

「基準給与」は育休開始前6ヶ月間の給与平均(賞与は含まない)から算出します。例えば月給42万円で6ヶ月間ほぼ一定なら、基準給与=42万円。最初の6ヶ月は月28万円台、それ以降は月21万円程度が振り込まれます。2ヶ月に1回まとめて振り込まれるのが一般的なので、家計のキャッシュフロー管理は2ヶ月単位で考えるのが現実的です。

2. 転職が決まると給付金はいつまでもらえるのか?

ここが本当に重要なポイント。給付金が止まるのは「実就労開始日」の前日までです。退職しただけ、内定承諾しただけでは止まりません。

ケース1:育休中に退職し、給付金をもらい続ける場合

「新会社の入社日を決める前に退職する」というタイミングを取れば、退職後も給付金は継続します。育休の対象は「子どもの育児のため就業していない状態」であり、雇用関係の有無は条件ではありません(厚生労働省「育児休業等給付」)。

例:育休開始1月1日/前職退職7月15日/新会社入社日未定 → 育休終了予定日まで給付金継続。

ケース2:転職先の入社日が決まった場合

新会社の入社予定日(=実就労開始日)が確定したら、その前日までで給付金は停止です。例えば8月1日入社なら、給付金は7月31日分まで。

💭 育休中の本音:両立できるかほんと心配

やっぱり双子ってこともあって、両立できるかほんと心配。給付金がいつまで入るかで、家計の余裕度が全然違う。2ヶ月に1回の振込のリズムに慣れてくると、「あと何回入るか」が安心の指標になる。だから転職タイミングは、給付金の数字とセットで考えたい。

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3. 双子育休の実額試算(私の場合)

では実際に「私の場合、育休給付金がいくらになるのか」を試算してみました。プライバシーのため数字は若干ぼかしていますが、概算の目安として。

💡 双子育休の給付金試算(基準給与月42万円・1歳まで346日想定)

  • 180日目まで:月281,400円 × 6ヶ月 ≒ 約168.8万円
  • 181日目〜346日目:月210,000円 × 約5.5ヶ月 ≒ 約115.5万円
  • 育休全期(1歳まで)合計:284.3万円
  • 1歳〜2歳まで延長した場合:追加で月21万円 × 12ヶ月 ≒ 約252万円(合計536万円規模)

※ 双子の場合、産後休業期間や延長要件は単胎と一部異なる。出産手当金(健保)と育休給付金(雇用保険)は別制度のため、産後8週間は出産手当金、それ以降が育休給付金。

つまり育休全期間で280万円〜530万円規模が動きます。家計の中で大きな比重を占めるので、転職タイミングが少しズレるだけで数十万円〜100万円単位の差が出ます。

4. 転職タイミング別 給付金損失シミュレーション

転職のタイミングによって、給付金がいくら失われるか試算しました。前提は基準給与月42万円・育休346日想定。

⏱️ 転職タイミング別 給付金損失早見表

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シナリオ 入社日の目安 給付金受取額 損失額
A:育休全期間もらう 育休終了後 約284.3万円 0円
B:150日目(67%期間内)に転職 育休150日目 約140万円 約144万円
C:250日目(50%期間中)に転職 育休250日目 約217万円 約67万円
D:320日目(50%期間後期)に転職 育休320日目 約262万円 約23万円

※ 月額・期間の概算。基準給与・実際の支給率・延長有無で個別差あり。詳細は管轄ハローワーク/会社の人事に確認。

給付金損失を給与上昇で「取り返す」には、月15万円以上の昇給が必要なケースが大半。これは現実的にはハードルが高いので、給付金を確保した上で転職する戦略が経済合理的です。

5. 不正受給にならないための注意点

給付金をもらいながら転職活動することは、全く違法ではありません。ただし「制度悪用」にあたる行為はNGです。

⚠️ 不正受給とみなされるケース/OKなケース

❌ NG:

  • 給付金目的の出産予定日詐称・虚偽申請
  • 新会社で実質就労を始めているのに「就業していない」と申告
  • 育休中にパートで働いて雇用保険適用となるのに申告しない

✅ OK:

  • 育休期間中に転職活動(情報収集・面接・条件交渉)を行うこと
  • 育休中に転職先を見つけて、給付金がもらえるギリギリまで入社日を遅らせる交渉をすること
  • 給付金申請時点で「将来転職する可能性」を申告しないこと(確定後に届け出れば足りる)

※ 厚生労働省「育児休業等給付」Q&Aで、不正受給は最大3倍の返還が定められています(給付制限・刑事罰の可能性も)。判断に迷ったら必ず管轄ハローワークに匿名相談を。

6. 失業給付(失業保険)との関係

育休給付金が終わったあと、別制度として「失業給付(雇用保険の基本手当)」があります。両制度の関係を整理しておくと、退職時の判断ミスが減ります。

  • 育休給付金:育児のための休職に対する給付。在籍中の社員が対象
  • 失業給付:退職後・再就職活動中の失業状態に対する給付。雇用保険被保険者期間の要件あり
  • 同時受給:不可。育休給付金中は「就業していない=失業状態ではない」扱い
  • 育休後に退職→失業給付:原則可能だが、自己都合退職の場合は給付制限期間(2ヶ月程度)あり

7. 採用担当として見てきた給付金まわりの失敗3選

採用面接で候補者と話していると、給付金制度を誤解しているケースが結構ありました。実際に見聞きした失敗パターンを書きます。

💬 育休手当が減らないからって、年子で産む人もいるんです

私の周りでは、育休手当が連続取得で減らないからって戦略的に年子で産むママもいます。経済合理性と育休制度の組み合わせでベストのタイミングを設計してる人がいる——「給付金の仕組みを正確に理解してる人ほど選択肢が広がる」のは事実。逆に「給付金がいつまでもらえるか」を誤解して焦って退職する人も。同じ制度なのに、人生設計が変わってしまうんです。

— 当事者として観察した結論:給付金の正確な計算は、転職タイミングだけでなく次の妊娠計画にも影響する。雑な理解で動かず、最低でも180日要件と支給期間は数字で押さえてください。

失敗①:内定承諾=給付金停止と誤解して焦って退職
内定承諾日や退職日では給付金は止まりません。実就労開始日の前日まで支給。これを誤解して、内定が出た時点で慌てて退職→給付金が数十万円分残っていたのに自ら手放したケースが複数。

失敗②:転職先に「育休中であること」を伝えるタイミング
育休中の身分を隠して内定を得ると、入社後に「在籍が二重になっている」と発覚するケースあり。最悪、内定取消や信用毀損も。応募時のレジュメに「現在◯◯社で育休中」と明記する方が、企業側の段取りもスムーズです。

失敗③:失業保険と二重で受け取れると思っている
育休給付金と失業保険は同時受給不可。「育休が終わったら失業保険ももらえる」と計画していて、ハローワークで断られて慌てるケースが定番。退職時の受給資格は別途条件を確認しましょう。

8. 給付金を諦めて転職すべき3つのケース

ここまで給付金最大化の話を書きましたが、給付金を諦めてでも早く転職した方がいいケースもあります。私が相談を受けて「これは給付金より転職優先」と判断したパターン3つ。

🎯 給付金よりも転職を優先すべき3パターン

  • ① 現職の復帰先がハラスメント環境:復帰したら確実に消耗するとわかっている場合。給付金で得る数十万より、メンタルを守る方が長期で得
  • ② 転職先の年収が現職より100万円以上アップ:月8万円以上の差なら、給付金損失分は10ヶ月程度で回収。長期では完全にプラス
  • ③ 時短勤務制度が現職になく、転職先にはある:金額換算が難しいですが、復帰後にフルタイムで詰むより時短ありの企業に移る方が、家庭の安定度は段違い

※ 給付金は「家計の手段」であって目的ではない。長期キャリア・健康・家庭の安定を主軸に判断するのが結局のところ得。

💭 みぃより

育休給付金は本来、ワーママの経済的支えのための制度。その給付金を損失してまで急いで転職する必要があるか?真剣に問う価値がある。給付金を最大化するなら「育休全期もらってから復職→1年程度時短で働きながら転職活動」が経済合理的。ただしハラスメント環境や年収差100万円以上などの条件があれば、給付金より早期転職が得になるケースもある。