1. 採用担当が見てきた「育休明けで後悔する人」の共通点
復職直後は本当に忙しい。マイナビ「育児離職と育休の男女差実態調査(2025)」では、育休経験女性の41.3%が転職・退職を実施または検討しているというデータが出ています。多くは「想像以上に時間がない」「両立が想定と違った」という理由。
その状態で「よし、転職活動をしよう」と思っても、すでに手遅れに近い。職務経歴書を一から作成する時間がない、企業研究が不十分なまま面接に臨む、自己分析ができていない——こうした状況を避けるため、育休中にやるべき10のことを整理します。
💬 育休中だからこそできる自己分析の話
育休中の準備は「やらなきゃリスト」を埋める作業に思われがちだけど、効いたのは「自分の問いリスト」を作る作業でした。「私はなぜ転職したい?」「双子と過ごす時間でどこまで仕事を絞るのが妥当?」を双子が寝てる10分単位で向き合う。準備の量より問いに答える質が、復帰後の判断を左右します。
— 当事者として整理した結論:育休中の準備10項目は「やるべきリスト」じゃなく「自分と向き合うための問いリスト」。1つ1つに時間をかけて、自分の言葉で答えを書き出してください。
2. 育休中にやっておくべき10の転職準備
📋 育休中にやっておくべき10項目 早見表
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| 優先度 | 項目 | 所要時間目安 |
|---|---|---|
| ★★★ | ①自己分析シートの作成 | 30分×4回 |
| ★★★ | ②職務経歴書の「第一稿」作成 | 1時間×2回 |
| ★★★ | ③エージェント登録(複数比較) | 登録10分×2社 |
| ★★ | ④業界研究・企業研究のメモ帳 | スキマ時間に随時 |
| ★★ | ⑤転職タイミングの大枠決定 | 30分 |
| ★★ | ⑥パートナーとの「転職」話し合い | 1時間 |
| ★★ | ⑦譲れない条件を3つに絞る | 30分 |
| ★ | ⑧ネットワーキングの「リスト化」 | スキマ時間 |
| ★ | ⑨育休ブランクの「説明」テンプレ化 | 1時間 |
| ★ | ⑩転職情報の継続インプット | 毎日5分 |
※ 全部やる必要なし。★★★3項目だけでも、復職後の動き出しが大きく変わります。
①自己分析シートの作成(最重要)
「自分は何ができて、何がしたいのか」を言語化する。面接で「何がしたいんですか?」に対してふわっとした回答しかできない人は、書類段階から弱い。育休中、赤ちゃんが寝ている間に紙やメモアプリで「過去にやってきた業務/成果/好きな仕事/嫌いな仕事/ワーママとして優先したい条件/5年後どんな働き方をしていたいか」を書き出すのが第一歩。
②職務経歴書の「第一稿」作成
完璧でなくていい。下書きを「ゼロから作成」を復職後にやるのは現実的ではない。今までやった業務の整理・成果の数値化・使えるスキル・知識のリストを書き出しておくだけで、エージェント面談時の作成時間が大幅に短縮できます。
③エージェント登録(複数比較)
登録は無料、合わなければ放置でOK。育休中に「どのエージェントを軸にするか」を決めておくと、復職後の動きが速い。複数エージェント併用が転職成功者の主流です。
💭 育休中の本音:両立できるかほんと心配
やっぱり双子ってこともあって、両立できるかほんと心配。完璧な準備なんて到底無理だから、せめて「エージェント登録」「自己分析メモ」「職務経歴書の箇条書き」の3つだけはやっておきたい。リアルミーキャリアなら登録だけで時短・在宅可の求人を絞ってもらえるから、市場感がつかめるだけでも安心材料になる。
④業界研究・企業研究のメモ帳を始める
「気になる企業」「業界のポイント」をスマホメモに残す習慣。これがあるだけで、面接で「この企業について調べたな」と伝わる。
⑤転職タイミングの大枠決定
「いつから本格化させるか」を決めておくと、判断がぶれない。育休終了からの逆算で「4ヶ月前から活動開始」などマイルストーンを設定。
⑥パートナーとの「転職」話し合い
夫も転職経験ありの人ほど、ワーママ転職の価値観のズレを意識的にすり合わせる必要があります。「優先したいこと」「家事・育児分担の変化」「一時的な多忙へのサポート」を育休中に話しておくと、活動中のストレスが減る。
⑦譲れない条件を3つに絞る
転職で失敗する人の多くは「条件が多すぎる/曖昧」。テレワーク率・時短勤務制度・給与水準のような3つに絞り込み、他は「あったら嬉しい」位置付けに。検索精度と面接判断のブレが減ります。
⑧ネットワーキングのリスト化
前職の同僚・業界内知人を「営業」「技術」など分類しておく。リファラル経由の転職は応募経路として有力で、特に中途採用ではマッチング精度が高い傾向(複数の調査でリファラル採用の定着率の高さが報告されています)。
⑨育休ブランクの「説明」テンプレ化
「育休中は何をしていたか」は転職面接の必須項目。前向きに説明できる人と「特になにも」と濁す人で、印象は大きく変わる。育休中のうちに伝え方を考えておきましょう。
⑩転職情報の継続インプット
X(Twitter)で転職アカをフォロー、求人サイトを定期的にチェック、転職ブログを読む。すきま時間の5分で「市場感のアップデート」を続けると、復職後の判断材料が大量に蓄積します。
3. 採用側が見る「育休中の準備状況」:書類選考の現場から
採用担当として書類選考をしていると、同じ「育休ブランク2年」でも、二つのタイプが見えます。
📊 採用側に届く2タイプの職務経歴書
❌ タイプA(評価が下がる):
- 「育児休業中」とだけ書いてある/ブランク期間の記載なし
- その後のキャリア成果が、ブランク前と変わらない
- 「自己啓発をしなかった」という印象を持たれやすい
✅ タイプB(評価が上がる):
- 「育児休業取得(2024年10月〜)」+具体的活動を記載
- 「オンライン講座で◯◯資格取得/業界ブログ運営/転職エージェント登録・業界動向の情報収集」など
- 「育休ブランクを自分を高める時間に使った」と判断される
※ 「業界ブログ」「オンライン学習」「資格取得」のような目に見える活動が、書類選考の通過率に直結します。
採用担当として評価する「育休中の活動」は、業界関連の資格取得/ブログやnote運営/業界ニュースの定期インプット/前職の人脈維持の4つ。小規模なブログでも、継続していれば十分アピールになります。
4. 私が今やれていること・やれていないこと(正直に)
10項目を紹介しましたが、双子の育休中の私は、これらの全てをやれているわけではありません。
やれていること:業界研究・企業研究のメモ(スマホで思いついたときに)、エージェント登録の事前比較、ネットワーキングリストの整理(Notionに業界人情報を蓄積)。
やれていないこと:自己分析シート(時間が取れない)、職務経歴書の下書き(現職経験の整理が進んでいない)、パートナーとの詳細な話し合い(大まかな方向性のみ共有)、転職活動のタイミング決定(まだ決められていません)。
双子は想像以上に時間を取られます。「育休中だからこそできる」という理想と現実のギャップに、毎日直面しています。でも、それは「失敗」ではなく「現実」。完璧主義を手放して、できる範囲で一つずつ進めれば十分です。
5. 完璧ではなく「動きながら準備する」戦略
採用担当として見ていると、完璧に準備した人だけが成功するわけではありません。むしろ「とりあえずエージェントに登録して、面接を受けながら自分の考えを整理していく」という人の方が、最終的には満足度の高い転職をしているケースが多い。実際の企業面接を通じて「自分が本当に望んでいることは何か」が見えてきます。
だからこそ、育休中にやるべきは「100%完璧な準備」ではなく「動き始めるための最低限の準備」。そして復職後から、実際の求人や企業研究を通じて継続的に自分の考えをアップデートしていく。赤ちゃんのお世話が最優先。その中で「できる範囲」で準備を進め、復職後から「動きながら調整する」くらいの気楽さが、実は一番うまくいくのです。
💭 みぃより
育休は子育てをする大切な時間。同時に、人生における重要な「準備期間」でもあります。転職するか・しないかはまだ決めていない。でも「もし転職するなら、今のうちに準備しておくと、復職後が楽になる」のは、人事3年として多くの転職者を見てきた実感です。今回の10項目は、全部やる必要なし。「3つくらいは育休中にやっておこう」の気持ちで、すきま時間を活用してみてください。それだけで、復職後の選択肢と心の余裕が変わります。
